「STARアセスメントシステム」は
児童生徒のアセスメント結果から児童生徒が抱える
「いじめ・不登校」の予兆をつかみ、
有効解決方法を学校に還元するシステムです。

「STARアセスメントシステム」とは

STARとはSchool-related Task Assessment&Resolution(学校関連課題の評価と解決)の略称であり、STARアセスメントシステムとは学校風土の「見える化」を支援することを目的として開発されたシステムです。

アンケートや言葉の分類ゲームから得られる児童生徒の内面に関する情報や、児童生徒を取り巻く環境の情報を分析し、児童生徒の抱える「いじめ」や「不登校」に関わる潜在的な問題を「見える化」することで、問題行動に対する予防教育や生徒指導に活用できるアドバイスを教員へ提供し、学校風土の「見える化」に貢献します。

特徴

アンケート・言葉の分類ゲームで
児童生徒の実態と傾向を把握
児童生徒が行う「アンケート」と「言葉の分類ゲーム」の結果を経年で蓄積することで、現在の状態と過去からの変化それぞれを確認でき、児童生徒の実態に沿った緻密な傾向把握が可能です。
児童生徒の状態を「内面」と「環境」
の2つの視点から把握が可能
アセスメント結果は児童生徒の「内面の問題」と「環境の問題」に分けて確認ができます。それぞれの項目に応じてアセスメント後の指導が可能です。
具体的な課題解決までを提示する
トータルサポートシステム
児童生徒ごとの個票以外にクラス全体の結果を表す「レーダーチャート」や学級全体指導に役立つ「具体的なアドバイス」、指導の参考となる「実践プログラム例」など多種多様な資料を提示して、課題の解決までシステムがサポートします。

監修者より

岐阜大学 大学院教育学研究科
吉澤 寛之

1971年岐阜県に生まれる。2006年名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程修了。現在、岐阜大学大学院教育学研究科教授と兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科教授を兼任する。

システム開発の理由と想い

いじめなどの問題行動や不登校は全国的に増加の一途をたどっており、その背景には子どもの心理面の不安定さがあります。こうした心理面の不安定さには、友人や教師、家族を中心とした周囲の人との関係が影響するとされています。新型コロナウイルス対策の長期自宅待機などの影響により、人間関係は希薄化し、子どもの心理面はさらに不安定になっていることが指摘されています。

学校が、こうした子どもを取り巻く困難さを、悪化する前からアセスメントにより未然に把握し、提供されるアドバイスに基づいて支援することで、幸せな学校生活をおくるための手助けとして、このアセスメントシステムは開発されました。

STARアセスメントシステムの特徴

このアセスメントは従来のアセスメントにはない2つの特色があります。

1つ目は問題行動や不登校と密接に関連する規範意識や共感性、自制心などの非認知能力を把握でき、学校における教育でこれらの能力を高められるきっかけになるという点があります。

2つ目は非認知能力の向上をさまたげている子どもの人間関係を把握して、それを念頭に置いた子どもへの支援を学校がしやすくなるという点があります。

教員の多忙化や若手教員の増加により子どもに十分な支援をする余裕が学校になくなっていますが、このアセスメントには、科学的エビデンス(根拠)にもとづく有益な支援の情報を提供することで、教師の子ども支援を支えられるメリットがあります。

システムをご利用いただく学校様への願い

不登校の子どもやいじめなどの被害にあう子どもだけではなく、加害をする側の子どもも、ある意味被害者だと私は考えています。不安定な家庭に育ち、学校で輝けるような体験がないことで、心理面が不安定になり、そのストレスが仲間にネガティブな行動をすることへつながっている例も多くあります。

学校の先生方には、このアセスメントシステムから提供される情報を子ども支援に役立つ「引き出し」としてとらえていただき、その情報が子どもの出すサインと一致したときに、自信をもって学級支援や個別支援に活用いただければと思います。このシステムが被害者になる子どもをゼロにするための一助となることを祈っています。

ページトップへ